実務家のための多重債務整理の手引
内 容
多重債務の整理の方法を時系列に示し解説。
「整理方針の選択」から「相談」「受任通知」「債権調査」「任意整理」「過払い金返還請求」「特異な債権者などとの対応」等、実務上の留意点を整理した手引書。

著編者名 千葉 肇/著
判型・頁数 A5判・並製・256頁
定価
発行年月 2008年10月10日
ISBN 978-4-88260-197-5
ジャンル 単行本/法律
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主 要 目 次
第1章 平成18年法律115号「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」
1−18年改正法の概要
2−貸金業の適正化
 1 貸金業への参入条件の厳格化
 2 貸金業協会の自主規制機能強化(貸金25条〜41条の12)
 3 行為規制の強化
 4 監督の強化
3−過剰貸付の抑制
 1 指定信用情報機関制度の創設
 2 総量規制の導入
4−金利体系の適正化
 1 みなし弁済制度の廃止、出資法上限金利の引下げ
 2 金利概念の見直し
5−ヤミ金融対策の強化
6−多重債務者問題に対する政府を挙げた取組み
 
第2章 金利についての規制
1−規制の概観
 1 現在の規制(平成18年法115号による改正前)
2−利息制限法
 1 利息の制限(利息1条)
 2 超過部分の「無効」
 3 「金銭を目的とする消費貸借」であること
 4 利息の天引き(利息2条)
 5 みなし利息(利息3条)
 6 賠償額の予定の制限(利息4条)
 7 平成18年法115号による改正
3−出資法(平成18年法115号による改正)
 1 平成19年1月20日施行(公布から1月経過日)
 2 原則施行日から2年6月以内施行
4−貸金業法43条(みなし弁済規定)
 1 貸金業法43条の意義と適用要件概説
 2 「債務者が利息として任意に支払った」こと
 3 法定契約書面(17条書面)の交付
 4 法定受取証書(18条書面)の交付
 
第3章 利息制限法による引き直し計算
1−序
2−引直し計算における諸問題
 1 貸付日の算入
 2 うるう年の場合
 3 端数処理
 4 元本額が増減した場合
 5 支払遅延があった場合(期限の利益喪失約款)
3−複数の貸付けがある場合の充当関係
 1 序
 2 近時の最高裁判決の概観
 3 近時の最高裁判決の判旨紹介
 4 実務における今後の取組み方
 5 業者の合併の場合
 
第4章 多重債務整理の相談及び受任
1−相談から受任
 1 相談における留意点
 2 受任における留意点
2−多重債務の整理方針の選択
 1 引直し後の債務額の推定
 2 支払可能額(破産)
 3 任意整理と個人再生
 4 一括返済、過払金返還請求
3−受任通知
 1 受任通知の発送
 2 受任通知における注意点
 3 支払いの停止
4−債権調査(取引履歴の開示請求)
 1 取引履歴開示の必要性
 2 貸金業者の開示義務
 3 開示における個別的問題点
 4 文書提出命令
 5 個人情報保護法との関係
 
第5章 任意整理
1−任意整理案の作成基準(東京三弁護士会統一基準)
 1 東京三弁護士会統一基準の意義
 2 東京三弁護士会統一基準の内容
2−任意整理案の作成及び合意交渉
 1 任意整理案の作成
 2 合意交渉
 3 合意書の作成
 4 合意後の弁済
3−.任意整理中の貸金請求訴訟、支払督促、給料差押
 1 貸金請求訴訟、支払督促
 2 給料差押
 3 差押禁止範囲の拡張の申立て
4−消滅時効
 1 借入金債務の消滅時効
 2 消滅時効完成後の貸金請求
 3 過払金返還請求権の消滅時効
5−相続放棄
 
第6章 過払金返還請求訴訟
1−過払金返還請求訴訟の意義と基本的訴状
 1 過払金返還請求訴訟の意義
 2 過払金返還請求の基本訴状
2−過払金返還請求訴訟における管轄
 1 事物管轄
 2 土地管轄
 3 主観的併合
 4 合意管轄
3−過払金の法定利息
 1 悪意の立証責任
 2 適用利率
 3 利息の起算日
4−取引経過不明の場合の推定計算
 1 取引経過の推定
 2 一部請求でありうることの明示
 3 当初貸付残高を0円とする請求
5−特殊な過払金返還請求訴訟
 1 借入契約の無効主張による返還請求(ヤミ金)
 2 完済業者に対する請求
 3 破産免責後の請求
6−過払金返還請求訴訟における業者の対抗
 1 非債弁済
 2 すでになされた和解
 
第7章 特異な債権者との対応
1−商工ローン
 1 商工ローンとは
 2 利息制限法による引直し
 3 受任における留意点
2−ヤミ金業者
 1 ヤミ金業者とは
 2 民事的対応(不法原因給付)
 3 受任における留意点
 
第8章 破 産
1−破産手続の概要
2−自己破産の申立て
 1 破産手続開始・免責許可の申立て
 2 管 轄
 3 申立書作成の留意点
3−破産手続開始決定
 1 即日面接と破産手続開始決定
 2 破産手続開始決定の主な効果
4−同時廃止と管財事件の振分け
 1 20万円を超える現金がある場合
 2 20万円を超える換価対象資産がある場合
 3 オーバーローンの場合
 4 免責調査型
 5 資産調査型
 6 会社併存型
 7 その他
5−管財事件
 1 管財事件の進行
 2 破産財団の換価
6−免 責
 1 免責手続
 2 免責不許可事由、裁量免責
 
第9章 個人再生手続
1−個人再生手続の概要
2−.個人再生手続の開始要件と選択
 1 小規模個人再生の開始要件(民再221条1項)
 2 給与所得者等再生の開始要件(民再239条1項)
 3 小規模個人再生と給与所得者等再生の選択
3−個人再生手続の流れ
 1 個人再生手続の申立て
 2 再生委員の選任
 3 開始決定、財産調査、再生債権の手続内確定
 4 再生計画案の提出
 5 認可決定
 6 認可決定後の事情変更
4−住宅資金特別条項
 1 意 義
 2 適用対象(解説個人再生164頁以下参照)
 3 住宅資金特別条項の内容
 4 住宅資金特別条項の付与に致る手続