公務員関係主要判例 1985年版
内 容
公務員に関する主要判例を解説する年度版の小冊子。月刊誌「公務員関係判決速報」より収録。事項別に分類整理し、資料編として関係法令・参考判例等を掲載。

著編者名 公務員関係判例研究会編
判型・頁数 B5判・並製・92頁
定価 605円(本体550円+税10%)
発行年月 1985年4月
ISBN 4-88260-055-2
ジャンル 単行本/行政・労働
送料 340円
在庫状況 僅少
備考


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主 要 目 次
【争議行為】
 1 勤評反対闘争として行われた一斉早退行動、高校長会の開催妨害を計画・指導等した高教組幹部らに対する懲戒処分が是認された事例
(群馬県高教組勤評反対闘争事件・前橋地裁昭和59年3月28日判決)
 2 順法闘争を指導・実行等した支部副委員長に対する懲戒免職処分が、裁量権の範囲を逸脱し無効であるとした原判決を取り消して、懲戒免職を是認した事例
(動労直方機関区事件・福岡高裁昭和59年4月23日判決)

【庁舎管理】
 3 税務署庁舎内の掲示の許可は、一般的禁止を特定の場合について解除することを意味し、許可を受けた者に対しなんらの権利を設定するものではない(足立税務署事件・最高裁第二小法廷昭和59年1月27日判決)

【管理者の情報収集活動】
 4 組合の執行委員会を盗聴したとして管理者を集団で追及した全逓支部役員らに対し、実質的違法性を欠くとして全員無罪とした原判決を破棄し、逮捕監禁、傷害罪等の成立を認めて懲役刑を科した事例(横浜中郵盗聴事件・東京高裁昭和59年3月13日判決)

【休暇】
 5 成田闘争参加目的でなされた年休時季指定に対し、使用者が違法行為防止のため勤務割の変更をしなかったことに合理的理由がある−時季変更権行使の無効を理由に戒告処分を否認した原判決を取り消した事例−(電々弘前年休事件・仙台高裁昭和59年3月16日判決)

【職務命令】
 6 郵便局職員に対する時間外勤務命令が、「国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法」6条の規定に基づいて定められた「郵政事業職員勤務時間、休憩、休日および休暇規程」により発せられたものであり、郵政省と全逓との間の労働協約等にも反しないものであるとして、有効とした原判決を維持した事例(全逓静内局特例休息事件・最高裁第三小法廷昭和59年3月27日判決)

【守秘義務】
 7 税務職員が、職責上租税犯罪の一般予防、納税道義の向上等もっぱら公益を図る目的で、犯則事件の調査の結果知りえた事実を公表しても、国公法上の守秘義務には違反しない(仙台国税局職員事件・東京高裁昭和59年6月28日判決)

【任用】
 8 地方公務員が禁錮以上の刑に処せられた場合には、任命権者による何らの処分も必要とせず法律上当然に失職し、執行猶予期間満了後に初めて失職通知がなされたものだとしても失職の効力に影響がない(兵庫県立図書館職員自動失職事件・神戸地裁昭和59年2月1日判決)

【分限】
 9 郵政職員に対する起訴休職処分につき、刑事事件の一審無罪判決言渡し後もこれを継続したのは違法であるとした原判決を取り消し、裁量権の濫用はないとした事例(福岡中央郵便局事件・福岡高裁昭和59年4月26日判決)

【職場外非行】
 10 職務との具体的関連のない非行が私的に行われた場合の懲戒免職処分を是認した事例(吹田千里郵便局職員事件・最高裁第一小法廷昭和59年5月31日判決)

【安全配慮義務】
 11 営林署作業員らがチェンソー、ブッシュクリーナーの使用により振動障害(いわゆる白ろう病)にり患したことにつき、国の安全配慮義務不履行の責任を認めた一審判決を覆し、同責任を否定した事例(全林野高知白ろう病事件・高松高裁昭和59年9月19日判決)