《注目される主要判例》 1 職場内で長時間多量に飲酒して酩酊し、互いに口論等に及んだ者に対する懲戒停職処分が是認された事例(梅津営業所事件・大阪高裁昭和55年2月27日判決) 2 市役所における1時間の時限スト及び病院における全1日のストを指導した者について、懲戒免職処分は取り消し、懲戒停職処分は認容した事例(北九州市財政再建闘争事件・福岡地裁昭和55年5月7日判決) 3 保育園勤務の保母に対する民生課への転任命令が報復的処分であるとして取り消された事例(大安町保母事件・津地裁昭和55年8月14日判決) 4 上司の命令を無視し、勤務時間内組合活動を繰り返した税務署員に対する懲戒免職を妥当なものと断じた事例(天王寺税務署事件・大阪高裁昭和55年10月30日判決) 5 上司の厳しい指導に反抗して無断早退するなどした条件付採用期間中の職員に対して、分限免職処分を取り消した事例(新宿郵便局事務員事件・東京高裁昭和56年3月10日判決)
《その他の主要判例》 1 当局をして職員団体との交渉に応じさせることを求める要求は、勤務条件に関する措置要求になじまない(横浜市学労措置要求事件・東京高裁昭和55年3月26日判決) 2 郵便局長らの言動が、全逓に対する不当労働行為を構成せず、あるいは救済命令を発する必要がないものと認められた事例(新宿郵便局不当労働行為事件・東京高裁昭和55年4月30日判決) 3 組合活動においても、実力行動に訴えてまで自己の主張を貫くことは許されないとして、原審の無罪判決を破棄した事例(国労南延岡駅事件・福岡高裁宮崎支部昭和55年5月30日判決) 4 市教委による退職勧しょう行為を許容される限界を越えた違法なものとした原判決が是認された事例(下関商高退職勧しょう事件・最高裁第一小法廷昭和55年7月10日判決) 5 定期昇給規定は職員になんらの権利を与えるものでなく、昇給延伸を争う訴はその対象を欠く(高知商高昇給延伸事件・最高裁第一小法廷昭和55年7月10日判決) 6 争議行為に参加した県職組組合員らに対する懲戒処分に、懲戒権の濫用はないとされた事例(長崎県職組事件・長崎地裁昭和55年9月8日判決) 7 大学の教務職員の勤務開始時刻は午前8時30分であって、上司にもこれを変更する権限はなく、学部におけるその弾力的取扱いは違法なものである(大阪大学教務職員事件・大阪地裁昭和55年11月12日判決) 8 日曜日のメーデーに「内閣打倒」の横断幕を掲げて行進した郵便局員に対し、原判決を破棄して戒告処分を是認した事例(全逓本所メーデー事件・最高裁第三小法廷昭和昭和55年12月23日判決) 9 昇格、特別昇給に関する書面協定が法令に抵触し無効であるとされた事例(財部町職組事件・鹿児島地裁昭和56年3月23日判決) |