目次 【職場外非行】 1 人身・物損事故を伴わない酒気帯び運転をし,警察に検挙された市の現場作業員に対する懲戒免職処分について,飲酒の状況やアルコール残量,運転経路に照らせば,当該酒気帯び運転は危険性の低い行為とはいえず,市職員の飲酒運転については厳罰で臨むことが周知されていたなどの状況下においては,免職処分とすることが社会通念や比例原則に反するということはできず,同処分に裁量権を逸脱・濫用した違法はないとされた事例 (松本市現場作業員懲戒免職(飲酒運転)事件・最高裁一小平成22年3月25日決定)
【職務命令,給与・手当】 2 男性のひげ及び長髪を一律に不可とする身だしなみ基準は,過度の制限を課するもので,合理的な制限であるとは認められず,同基準は,顧客に不快感を与えるようなひげ及び長髪は不可とする」との内容に限定して適用されるべきであり,原告の整えられたひげ及び整えられた長髪(引き詰め髪)は,同基準に違反しないとされた事例 (郵政事業身だしなみ基準事件・神戸地裁平成22年3月26日判決) 【分限・争訟手続】 3 条件付採用期間中の管理栄養士に対し,病院が求める栄養士としての能力が不足しており,指導による勤務実績の改善もみられないとしてされた免職処分につき,裁量権を逸脱した違法があるとされ,同処分が取り消された事例 (条件付採用職員(管理栄養士)免職処分取消請求事件・岡山地裁平成22年4月14日判決)
【転任・その他】 4 頭頸部がん治療の専門医師として,一環して頭頸科における診療業務に携わっていた原告を研究室長へ配置換えする旨の処分は,勤務内容に不利益を伴うものであるから,同処分の取消しを求める訴えの利益はあるが,被告において,原告の看護師,外来患者等に対する暴言等により,チーム医療を阻害し,患者に悪影響を及ぼすおそれがあると判断して同処分を行うことには業務上の必要性があり,裁量権を逸脱・濫用した違法はないとされた事例 (がんセンター配置換え処分取消請求事件・福岡地裁平成22年7月7日判決)
【職場内非行】 5 セクハラ行為,タクシーチケットの私的流用,物品販売手数料の簿外処理等を理由としてされた市職員に対する懲戒免職処分について,セクハラ発言として具体的に特定して認定し得るだけの証拠はないなどとして,同処分を是認した原判決が取り消された事例 (京都市温水プール所長懲戒免職処分取消請求事件・大阪高裁平成22年8月26日判決)
2011 公務員関係主要判例 資料編 |